(by行政書士阿部孝雄事務所・阿部孝雄)
事業を営んでいると売掛金や貸付金、受取手形などの金銭債権が発生してきます。この金銭債権は取引先の倒産などの理由により取り立て不能になる恐れがあります。
回収不能になると費用の科目である貸倒金(貸倒損失)になる訳ですが、その貸倒損失に前もって備えて計上する事が認められています。
その計上する科目が「負債・資本の部」のこの貸倒引当金という勘定科目です。一括評価では金銭債権のの5.5%など一定割合まで計上できます。
○貸倒損失が発生した場合
実際に倒産等で貸倒損失が発生した場合には、その債権額を減額し て貸倒金として費用に計上する訳ですが、この貸倒引当金を繰り入 れている場合には以下の仕訳例の様に、貸倒引当金を取り崩して貸 倒金と相殺します。
○決算期の処理
年末の貸倒引当金の残高を「貸倒引当金繰り戻し」として収入に計 上し、年末時の金銭債権に対しての貸倒引当金を見積もって(計算し て)、貸倒引当金繰り入れとして費用に計上します。
○計上限度額
・個別評価と一括評価により計算した合計額。
・個別評価
金銭債権を一定基準により、対象となる債権、繰り入れ可能 額を個別に見積る。
・一括評価
個別評価した債権を除いた金銭債権の残高に5.5%(金融業は 3.3%)を掛けた金額。
●(仕訳例)貸倒損失に備えて前年に貸倒引当金を300,000円繰り入れた。
貸倒引当金繰入 300,000 貸倒引当金の繰入 貸倒引当金 300,000
(費用の科目) (摘要) (負債・資本の部)
費用の発生で左側に記入 負債資本の増で右側に記入
●(仕訳例)ある取引先が倒産し200,000の貸倒損失が発生した。
貸倒引当金 200,000 倒産による貸倒損失 売掛金 200,000
(費用の科目) (摘要) (資産の科目)
費用の発生で左側に記入 資産の減で右側に記入
●(仕訳例)期末に前年分の貸倒引当金の残高を戻した。
貸倒引当金 100,000 貸倒引当金戻し 貸倒引当金戻入 100,000
(負債・資本の科目) (摘要) (収入の科目)
●(仕訳例)期末に本年分の貸倒引当金を計算して400,000円繰り入れた。
貸倒引当金繰入 400,000 貸倒引当金繰入 貸倒引当金 400,000
(費用の科目) (摘要) (負債・資本の科目)
--この回終わり--
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